研究内容

高次機能化のための脂質分子改変反応

リン脂質は一つの分子内に親水基と親油基を持ち、両親媒性が付与されたユニークな分子です。当研究室では、リン脂質が優れた生体適合性や乳化性を持つ脂質形態であることに着目し、所望のリン脂質分子を構築するための酵素合成法に関する研究を展開しています。

 

これまでに、リパーゼやホスホリパーゼの特異性を利用した反応により、所望の機能性脂肪酸の導入や極性基部分の交換反応法について検討を行い、天然物中に微量存在する機能性リン脂質の大量調製や共役脂肪酸結合リン脂質の合成、テルペンやフェノールなどの健康機能性分子に両親媒性を付与する独創的な反応により新規リン脂質の創生を進めています。

 

このような生物学的分子改変反応は、水産物から抽出した脂質のさらなる高機能化・高付加価値化への応用が期待できます。